また今年もインフルエンザの季節がやってきました。
幼稚園や学校で、あっという間にひろがるインフルエンザ。
予防接種をしていてもかかってしまうのは致し方ありませんが、最近はとにかくインフルエンザにかかった児童生徒が起こす異常行動に注目が集まっていますよね。
一時期はインフルエンザ薬、タミフルのせいではと疑われていましたが、その後の調査ではどの薬でも未成年者が異常行動を起こすことがわかっています。
インフルエンザでの異常行動
2017年の厚生労働省のインフルエンザ治療薬を使った患者の異常行動についての調査では、54件の異常行動が報告されています。
そのうち服用していた薬の内訳はこちら。
リレンザ…11件
イナビル…5件
このうち二人の10代の患者は、マンションからの転落などで死亡し、服薬していたのはリレンザとイナビルだったとの事です。
異常行動と薬の関係は?
これらの異常行動もやはり今のところ、薬との因果関係はわからないままのようです。
インフルエンザに関するQ&A|厚生労働省ホームページでも以下のように書かれています。
抗インフルエンザウイルス薬の服用が異常行動の原因となっているかは不明ですが、これまでの調査結果などからは、以下のように報告されています。
●インフルエンザにかかった時には、医薬品を服用していない場合でも、同様の異常行動が現れる
●抗インフルエンザウイルス薬の種類に関係なく、異常行動が現れるインフルエンザにかかった際は、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無にかかわらず、異常行動に対して注意が必要です
実際、当ライターの子供も何回かインフルエンザにかかり、高熱を出しましたが、リレンザを服用していたにもかかわらず、うわ言・幻覚を見るなど異常行動を起こしました。
(兄弟により差があったので、異常行動を起こしやすいか否かも違いがあるのかもしれません)
タミフルの異常行動の件数が多いのも、処方されている薬の多さがタミフルが一番なのを思えば、不自然な数値とは言えないかもしれませんね。
薬を飲まずに異常行動も
また日本の研究班が2006年以降に集計したインフルエンザ異常行動についての集計では、患者の異常行動はシーズンで50〜270件ほど起きており、このうち10%以上の患者はインフル治療薬を飲んでいないにもかかわらず、このような行動を起こしたとの結果が報告されています。
異常行動の例
・突然立ち上がって部屋から出ようとする
・興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う
・興奮して窓を開けてベランダに出ようとする
・自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない
・人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す
・変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る
・突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする
こういう時の子供は親が気づかせようとしても全く目に入らない様子で、何か別のものが見えているようです。
(実際後から聞くと、記憶がある場合「あの時は自分は変だった」という自覚があるようです)
もし異常行動を起こした場合は親の制御がきかない状態にあるので、対策はしっかりとらないといけませんね。
インフル異常行動による事故を防ぐには
厚生労働省からは以下のような勧告が。
まず大前提として
発症して2日以内は必ず、患者を目の届く範囲で寝かせる
特に高熱の時は要注意です。
また
①高層階の住居の場合
・玄関や全ての部屋の窓の施錠を確実に行う(内鍵、補助錠がある場合はその活用を含む。)
・ベランダに面していない部屋で寝かせる
・窓に格子のある部屋で寝かせる(窓に格子がある部屋がある場合)
②一戸建ての場合
①に加え、できる限り1階で寝かせる
つまり発熱中は、窓などの開閉を厳重にチェックした上で、なるべく一人にはするなという事ですね!