知っていますか?虐待の連鎖(れんさ)。不幸な子を出さないためにできること

なぜ虐待をする親がいるのか

虐待のニュースがまた世間を騒がせています。
「虐待をするような親は、子供を愛していないのだ」という人がいますが、実はそうと言い切れないところがあります。

一説によると、虐待に走ってしまう親は生真面目だというデータがあります。
しつけのつもりでやっていたのが、ヒートアップして過激になってしまう。
周囲に目が向かず、突っ走ってしまうのでしょう。
でもなぜ、そんな真面目な親が、虐待の加害者になってしまうのでしょうか?

親から受けたしつけは連鎖する

ここで振り返って考えたいのが、自らが受けてきた親からの「しつけ」です。
誰もが無意識に、親から与えられた待遇や世話を頭にえがきながら、自分の子どもの世話をしているのではないでしょうか。
人は親からあたえられた方法と、無意識に同じ手段で自分の子供をしつけようとしますが、実は虐待も、親または養育者から虐待を受けた人が、虐待を行いやすいという傾向があります。
その理由は、受けた仕打ちを、コミュニケーション手段のひとつだと誤認識する環境にあります。

生まれたばかりの子供はまっさらです。
コミュニケーションの方法も、すべて親などまわりの人間から吸収して学んでいくのです。

あなたが「これは愛情の表現だよ」と言われながらぶたれて育ったらどうでしょう?
または、「子供が間違えたことをしたとき、暴力で教える」という育て方をされたら?
もれなく「愛情表現」 = 「暴力をふるうこと」と意識に誤ってすりこまれていくことでしょう。

同じく、親にかまわれず無視され、親との接触が暴力をふるわれる時だけだったという人はどうでしょう。
子供は自分が生きていけるように、「お父さん(お母さん)は私を愛しているから暴力をふるうのだ」と認識をゆがめるようになります。
暴力を、コミュニケーションの手段と思い込む勘ちがいのはじまりです。

また、暴力をふるわれた恐怖とトラウマで、自分は暴力をふるわれる人間ではなく、人に暴力をふるう側なのだと、成長とともに無意識に自分を変えていく心理が働くそうです。
もしあなたの周囲で人に暴力をふるう人間がいたら、その人は幼少期に何らかの形で虐待をうけていたと考えてよいでしょう。

なぜ暴力をふるう子供がいるのか?

また、子供のクラスでやたら暴力的な子がいたとしましょう。

ささいなことで友達をなぐり、いつも問題をおこしてばかりの子です。

その子もまた、親や周囲の人間からうけた暴力を、歪んだコミュニケーションの手段として、周囲に表現しているのです。

なぜなら子供は、うまれた時はまっさらの状態なのですから、生まれた時から暴力的な子供など、存在しないのです。

暴力をふるう子供もまた、虐待の被害者だと言えるでしょう。

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